こんにちは、4月18日が誕生日のしいは(418)です。
2024年4月20日に開催されました桜花の大交流祭(シーズン9)にて準優勝の結果を残した旗魂遺物、そのなかの魂遺物(ヤツハAA/レンリA)について解説します。
旗魂(ホノカ/ヤツハAA)の家路デッキについては先行研究がありましたのでこちらをご覧下さい。
発見の経緯
本番2ヶ月前、†インペリアルクロス†(弓旗櫂算銃の5柱から3柱選択する事の呼称)が環境に多く、このうち銃と弓と櫂に対しては有利を取れそうで対応不可にも強い薙旗魂を使用していました。
しかし実戦ではリーサルへ向けて旅路に出たものの相手の防御が固く、ライフを取り切れずに家路に着いてしまう事が多くありました。2焦燥により敗北を確信していたのですが、環境にいるメガミが全体的にコントロール寄りの遅いデッキだったため家路の後もそのままゲームが進行する展開になりました。
これがきっかけで遅いデッキが多い今ならアグロで帰宅するデッキタイプがあるのではないかと研究を始め、対 かなしん さん-薙魂vs弓算、知らんデッキでびっくりしたとの感想を頂きました。もう少し研究を進めて帰宅を安定させます。対 絶望神サガミ さん-薙魂vs毒算、分からん殺しでたまげたとの感想を頂きました。後ろで観戦してるますたーさんがヤベェモン見ちゃったという表情でこっちを見てきます。
想像以上に有効で、誰も知らなそうだったので勝算を感じ、研究を進めてメタ的に有効そうな魂遺物(ヤツハAA/レンリA)に至りました。
1.2つの軸を持つ魂のデッキ
1-1.色づく世界ワンショット
このデッキは旅路の1ドローと集中力+1の効果を使い、手札5枚と集中力2で相手のライフを取り切るデッキです。
ゲーム開始1ターン目に『見知らぬ世界』でデッキを圧縮し、デッキを良質な攻撃札で固め、リーサルを狙いに行く前のターンに『色づく世界』を使用して1ドローから旅路に出ます。次のターンに旅路効果で1ドローと+1集中力を獲得しているので手札5枚集中力2の盤面が出来上がります。
デッキ6枚の内5枚を引けるので再現性の高いリーサルが実現出来ます。
1-2.アグロ帰宅
後攻1ターン目に『見知らぬ世界』を即破棄する、もしくは通常通り1ターン目に使用した『見知らぬ世界』が破棄される2ターン目に『色づく世界』を使用して素早く家路にたどり着くデッキです。
基本的に魂+任意のメガミの組み合わせで旅路の「捨て札、伏せ札をデッキの一番上に戻す」から出発することで1巡目の山札を引き切って手札5枚の盤面を作れるので、3ターン目に連撃を通すことが出来ます。
家路につくことで得られるメリットは、
①強力な完全体のカードが使える
相手に合わせて必要なカードを構築しておきます。
②思い出の使わなそうなカードを取り除くことで再構成が無償で出来る。
再構成回数を減らすことが出来るので、再構成を前提としたリーサルは通りません。
③使いたいカードだけ思い出から取り出すことで、毎ターン再構成で連続使用が可能
例えば、毎ターン再構成して『神霊オウカ』を連続で使用してライフに当てるデッキや、毎ターン再構成して偽証設置『偽りの武器』などが狙えます。
この3点になります。
2.魂遺物の強み
2-1.家路の効果処理と『夜山恋離のなれの果て』の相性
家路につくことを目標とする上で課題となるのが、家路に入った次のターン山札が無いので開始フェイズの2ドローにより2回焦燥ダメージを受ける脆弱性を持っている点です。
『色づく世界』を使用した次のターンに『夜山恋離のなれの果て』を使用し、その次のターンに『完全論破』になった『刻まれし衣』を使用することで、家路の効果により山札が無くなったターンは『望我』が使用済みになっているので焦燥によるダメージを受けません。
安全に家路を迎えることが出来るのが魂遺物の強みです。
2-2.対応性能の幅広さ
遺物は切札に『ラナラロミレリラ』、『オリレテラレル』の効果で『雲喰い』があるため、通常札により連撃を行うような相手に対して強いです。一方、『月影落』の様な大型切札には対応策がありません。
魂は切札に『彼女に取っての自我と決意』を持つため、大型切札(『全知経典』のような対応不可も含む)に対して強いです。一方、それ以外の防御方法を持たないので連撃で突破されてしまいます。
魂と遺物で互いの弱みを補完し合うことで幅広い攻撃に対して対処が可能になります。
2-3.『色づく世界』と『ロルレロラルロ』で山札を引き切れる
旅路の効果による1ドローと+1集中力、ここに『ロルレロラルロ』の展開中効果による1ドローを合わせることで山札6枚を全て引き切ることが出来ます。
『星の爪』3/2、『昏い顎』3/X、偽証『刃の本質』3/2、反証失敗なら2/1、『煽り殺陣』で回収して(回帰は任意効果)もう一度『刃の本質』3/2、残り手札2枚分
ここまでの出力が合計フレア2で実現出来るのが強みになります。
3.構築
3-1.構築テンプレ
3-1-1.色づく世界ワンショット
『煽り殺陣』『欺瞞の霧』が入れ替え枠になります。
対応が多くワンショットだけでは削りきれないなら『嘘突き』でリーサルラインまで削り、離脱+2/1攻撃をしそうなら『玄塗り』が時間稼ぎとして有効でリーサル時には攻撃としても利用可能、『欺瞞の霧』は有効に使えるか対面次第になります。
『嘘突き』『玄塗り』を構築に入れない場合は『オリレテラレル』からリーサル時の追加の打点を用意できます。
3-1-2.アグロ帰宅
完全態への変換を多用する一例になります。眼前構築が要求されるようなデッキタイプになりますので、不要そうな変換前カードは遺物のカードと入れ替えてください。
基本的な入れ替え枠は『意志』になります。『決意』によって打ち消したい対象(オーラダメージ2以下で打ち消したい攻撃)が特にないなら『鏡の悪魔』を構築しておくと、任意のタイミングで『本当の怪物』を引いて1回当てる使い方が出来ます。チャンスが無ければそのまま再構成の燃料になります。
3-2.カード評価
3-2-1.魂の通常札
・『星の爪』『星震の鉤爪』
山札1巡目とリーサルで2回使用するカードです。
変換後も強力ですが打点が欲しいなら未変換の火力が高いです。
対アキナのような資本数で戦うとき『星震の鉤爪』に変換すると優位に立ちやすくなります。
入らないことは無いでしょう。
・『昏い顎』『深淵の大口』
山札1巡目とリーサルで2回使用するカードです。
変換することで『四季はまた巡り来る』などの切札対応に強くなります。
『彼女にとっての自我と決意』の変換先最有力候補ですが、対応にかかわらず『昏い顎』が3/2で期待できるなら『幻影歩法』を変換します。
入らないことは無いと思います。
・『幻影歩法』『幻影連携』
山札1巡目に駆け込んで『星の爪』『昏い顎』を使用するときと、間合2から『星の爪』『昏い顎』を使用するときに使います。
リーサルを狙う際『彼女にとっての自我と決意』の変換で『深淵の大口』が不要そうなら『幻影連携』にすると出力が高くなります。
概ね入るでしょう。
・『意志』『決意』
オーラ1個を引っぺがしたり、『深淵の大口』鏡映パズルで一役買ってくれるカードです。
『決意』はオーラダメージが2以下の明確に打ち消したい対象があるときに採用します。
例えばチカゲなら『飛苦無』が無いと1柱でライフを取るのが困難になる、シスイなら『刻み刃』をいつでも打ち消せ、オーラ補充も出来るのでリーサルを踏まれにくくなるといったキーカードがある場合に必要になります。
純粋に2/1攻撃を止めたいならば『玄塗り』のほうがオーラ1ダメージ分お得です。
・『契約』『盟約』
家路を利用しない場合はデッキに入りません。
山札1巡目で『星の爪』『昏い顎』を使用した直後、相手のフレアが増えているので『契約』でフレアを1回奪取し、家路についた後は相手の資本奪取するカード兼『深淵の大口』リーサルを補助するカードになります。
家路を利用するなら入れます。
・『鏡の悪魔』『本当の怪物』
家路を利用しない場合はデッキに入りません。
バカ発見器系統のカードでライフに通ると凄いことが起こります。
普段は想い出領域に置いておき、当たるときに取り出します。
・『見知らぬ世界』
対面にシンラがいて『完全論破』でデッキを1枚抜いてくるような状況で無い限り、必ず入ります。
デッキを圧縮しつつ、1巡目の前進力を補強しつつ、『色づく世界』を用意できる、必須カードです。
3-2-2.遺物の通常札
魂のカードと比較すると小回りのきくカードが多いので構築を調整するときに入りやすいです。
・『嘘突き』
クロック打点を作るカードです。
デッキに入れなくても偽証することで通ったり通らなかったします。
デッキから抜いておくことで『オリレテラレル』の選択肢が増えて強力です。
・『神授』
遺物の必ず入るカードです。
『ロルレロラルロ』を搭載するならば『刃の本質』、それ以外なら『昏い顎』『深淵の大口』の打点を引き上げる『偽りの武器』または家路に着いた直後のターンのオーラ補強のための『最初の桜鈴』になります。
想い出領域のカードをゲームから取り除く度、無料で再構成を行えるので偽証設置から『偽りの武器』が打ち放題になります。
・『欺瞞の霧』
使い方次第、使い手次第。引き出しの広さと視界の広さを求められるカードです。盤面情報だけでは詰め切ることは出来ません、対戦相手も観察しましょう。
明確に有効では無いメガミがいます。
トコヨ・・・『要返し』ぐらいでしょうか、A2なら『恐掠め』を狙えると強力ですが対応なので概ね手札に持っています。
ライラ・・・風雷ゲージを持っていません。『獣爪』するなら『嘘突き』を構築しましょう。
サリヤ・・・燃料を持っていません。『Stunt』ぐらいしかないので諦めてください。
ミズキ・・・『反攻』が欲しいですが、相手は『反攻』を3/2で当てるため、相手の手札は『反攻』+対応札です。
レンリ・・・宣言できません。
ミソラ・・・照準を持っていません。何もありません。
・『弾き騙り』
対面の組み合わせが強力なレンジロック戦術を使うとかでも無い限り不要です。
・『煽り立て』
『ロルレロラルロ』でワンショットを狙うときに捨て札の『刃の本質』を回収するために使います。対面の思考パターンを考えて反証しなそうなら、これを伏せて『刃の本質』を偽証します。
・『玄塗り』
ダストを移動させてから2/1攻撃を行う相手に有効です。
心の『阿吽』展開『問答』の2/1攻撃、薙の離脱八相『石突き』のような当てる対象があるときに採用します。
相手のオーラが1以下の時に『玄塗り』偽証ゲームを仕掛けることができます。
・『雲喰い』
採用しないことで『オリレテラレル』から呼び出すことが出来るので採用しません。
3-2-3.魂の切札
・『彼女に取っての自我と決意』
『月影落』や『神座渡』のような打ち消すべき大型切り札持ち、もしくはリーサルのための完全態変換用カードとして採用します。
どちらか片方だけの目的だけで採用しても問題ありません。
リーサル時は鏡映分岐が多いので、いつ、どれを変換させるのか計算に入れるとよいです。
3-2-4.遺物の切札
・『夜山恋離のなれの果て』
どこをとっても強い要素しかないので必ず採用します。
相手のフルリソースになるターンに合わせ打ちして『完全論破』の圧をかける、捨て札があるときに使用して再構成を強要する、家路の焦燥ダメージを踏み倒す、多彩な用途があります。
リーサル時には3/2攻撃として利用できるので必ず使用します。
「この付与札の上の桜花結晶はあなたの開始フェイズの処理でしか移動しない」ため、旅路の効果で付与札の桜花結晶を減らす効果では減りませんが、増やす効果で乗っけることが出来るので、もう一度『完全論破』を構え直すことは出来ます。
・『オリレテラレル』
基本的には構築していない『雲喰い』を対応で呼び出す防御用の切札になります。『嘘突き』を採用していないなら攻撃用としての用途もあります。
・『ラナラロミレリラ』
手札からの強力な連撃でリーサルを取るヒミカやハツミなどに有効な対応札になります。相手のリーサルの取り方を考えて採用します。このカードを採用しているかどうかにかかわらず、4フレアを構えておくと相手目線で勝ち切れていない計算になりやすいです。
・『ロルレロラルロ』
ワンショットを決めるリーサル前ターンに展開する切札です。
必要に応じて採用します。
4.アグロ帰宅について
4-1.アグロ帰宅の動き方
4-1-1.マリガン
『見知らぬ世界』が1ターン目に必要です。
引けなかったら3枚マリガンして7分の1でバクシイハさん?!
このとき『神授』を引いていたら一番上に置きます。
最大上振れ手札は『神授』+『見知らぬ世界』両引きです。
4-1-2.山札1巡目
①目標は相手のフレアが溜まるのを阻害しつつ、②最速で『色づく世界』を使用し、③旅路の効果で手札5枚になるターンを作って攻撃する3点を意識します。
上ぶれるチャンスがあったら適宜拾っていきます。
例 先行1ターン目『直接金融』を使用されたので後攻1ターン目2宿しから『見知らぬ世界』を即破棄し、そのまま『色づく世界』を使用する。
・1ターン目
必ずすること
『見知らぬ世界』の使用
出来ればしたいこと
『神授』の使用
変換先は安定択で『最初の桜鈴』、強気で行くなら『偽りの武器』です。
・2ターン目
必ずすること
『色づく世界』を使用する。1ドローもしくは山札戻しから旅路に出る。
出来ればしたいこと
『意志』で相手のフレアを戻しつつ宿しをする
偽証『最初の桜鈴』で宿し前進する
集中力は1残す
『神授』を使用出来ていると山札が1枚多いので1ドローから旅路を始めて引き切れます。
・3ターン目
必ずすること
鏡映数が1以上になるよう『星の爪』『昏い顎』でライフを2点取る
『夜山恋離のなれの果て』を使用する。
出来ればしたいこと
先に『星の爪』でライフ受けをさせ、『昏い顎』を残す。
『契約』でフレアを奪取する。
※旅路効果による付与札効果で対象が『夜山恋離のなれの果て』しか無いならば納めを減らす方を選択して減らないようにする。
4-1-3.家路に着く直前のターン
必ずすること
『刻まれし衣』(『完全論破』)の使用
出来ればしたいこと
遺物の通常札を手札に1枚残す
以降は帰宅完了したのでご自由に
4-2.なぜアグロ帰宅が必要になるのか
組み合わせの強みとして紹介したように、大型切札は『彼女にとっての自我と決意』、通常札連撃は『ラナラロミレリラ』で対処可能です。
では『開放冥式切取法』はどうでしょう。
大型であるが連撃で、『彼女にとっての自我と決意』では止められず、事前に使用すると資本差がつき、『星の爪』を振るたびに相手のフレアが溜まっていき、相手のリーサルに貢献する事になります。
アキナを使用する対戦相手もこのことを理解した上で『開放冥式切取法』によるリーサルを前提として構築するはずです。
つまり初見殺しの裏択として家路ルートが必要になります。
完全態のカード『星震の鉤爪』『盟約』は資本価値でみるとかなり高く、『開放冥式切取法』への対応として『盟約』『決意』で大幅な軽減が見込めます。
これまで世間一般では家路=敗北で『色づく世界』はリーサル前に使用するものという認識のため想定外を狙うのに適した構築になります。
あとがき
当時はリザーバーだったため、壁打ちおよび情報収集として銃鎌旗研究グループに所属させて頂いておりました。私は薙旗魂を第1案として考えていたのですが環境からハツミがだんだんと減ってきて、この握りはそろそろ厳しいと思い始めた頃、ここでの研究中にあどみぬすさんから頂いた何気ない一言「メタ的に遺物魂とかないんですかね」ありました、ありがとうございます。ここでの検討で対銃鎌旗の深い理解も得ることができたおかげで結果を残すことが出来ました。
検討協力して頂いたグループの皆様、前日泊めてくださったへくとぱ様、京都に行けと背中を押してくれた方々、そして仁和寺という大舞台を用意して頂いたBakaFireParty様、ありがとうございました。
この記事の画像は「ふるよにコモンズ/BakaFire,TOKIAME」から拝借しております。
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